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看護師の責務と倫理

  • 「看護の社会的文脈(1)」

社会の要請に応えて職業として発展してきたという歴史的経緯から、看護においては、その実践に必ずしも学問が追いついていなかった時代が長く続きました。

また、基礎教育では医師がその長を務める病院附属専門学校の歴史が長く、看護は専門職というより医師の補助的な役割と見なされてきました。

幾度かの看護師不足の危機の時代には、3K、7K等と揶揄されたこともあるほど、業務の実質的責任は重い一方で、その責任を果たすに相応しい権限はきわめて限られていました。

しかし、2003年厚生労働省「新たな看護のあり方に関する検討会報告書」において、

1.看護職は療養生活支援の専門家として的確な看護判断に基づく看護技術を提供すること

2.「療養上の世話」には医師の指示は必要ないが、看護職は医師への相談の要否について適切に判断できる能力・専門性を養う必要があること

3.看護職は医師の指示内容の適切性や自らの能力との整合性を判断し、必要に応じて疑義を申し立てること

等が示されました。

これは、看護職に対する社会的評価が高まったことにより、医療チームにおける看護職の発言権や決定権が拡大してきたことや、看護職独自の判断に基づく行為が認められる範囲が拡大してきたことを示しています。

このような状況と相まって、根拠のある看護(Evidencebased Nursing)として、ただ単に教科書や経験から得られた知識と技術を提供するのではなく、研究の成果を実践の場に活用して「エピデンス(根拠)」 に基づいた知識と技術を提供する努力が求められるようになってきました。

例えば、床擦れ発生を予防する用具として病院で一般に使用されている標準マットレスに比べ、体圧分散寝具の方が優れていることが研究結果によって明らかになっています。

また経験的に行われてきた腰背部を温めて排便・排ガスを促す技術、足浴による睡眠を導く技術等を科学的に分析し、その根拠を明らかにしようとする試みも行われています。

参考になさってください。

<続く>

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