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看護師の責務と倫理

  • 「看護の社会的文脈(2)」

看護職に対する社会的評価が高まったことにより、医療チームにおける看護職の発言権や決定権が拡大し、看護職独自の判断に基づく行為が認められる範囲が拡大してきました。

そのような中、看護職の権限拡大に伴い、看護職に求められる知識・技術も高度化し、その責務も厳格化しています。

保健師助産師看護師法一部改正により、看護職の守秘義務に関する規定が設けられ、同法一部改正では処分を受けた看護職に対する罰則規定の強化と再教育の徹底に関する規定が定められました。

今後、看護職が専門職としてより一層発展するためには、看護を行う権限とそれを保証する責務が表裏一体であることを理解し、自らの業に誇りと使命感をもつことが必要です。

保健師助産師看護師法に規定される2つの業についても、看護独自の機能は「療養上の世話」にあるとする見解が支配的であり続けてきた一方で、実際には多くの「診療の補助」業務に圧倒されてきた感も否めません。

このような状況は、「診療の補助」を巧みに手際よく行う、時に「ミニドクターJと呼ばれる看護職や、患者に十分関われないという不満足感を抱く看護職を生み出してきました。

この背景には、多くの看護職が「診療の補助」業務を医師の補助と誤って解釈してきたということが関連していると思われます。

看護の専門性は、これらの業を分けて捉え、そのいずれを重視するかという議論からは見えてきません。

「診療の補助」は、看護職が患者にとっての意味を考え、診療を受ける患者をサポートするものであり、患者の側に立った視点が明確にあって初めて看護と言うことができるのです。

この前提に立つと、これら2つの業は分けられるものではなく、相互に関連しあっており、一方の的確な遂行は他方を遂行する際に役立ち、より効果的になるという性質のものであることが理解されます。

看護職が主体的に社会の期待に応えていくためには、看護機能の明確化とその機能をどのように果たしていくかの議論が不可欠です。

参考になさってください。

<続く>

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